無地から花柄に変化!

熱で革を磨き光沢を出す工程を紹介しましたが、

(→熱で磨く工程)

その工程を利用して模様をつける事もあります。

この工程も“手しごと”です。

 

マエストロが作業中の画をパチリ。

写真のように花柄の木版の上に少し工程を施した革をのせます。

そして同じ道具を使って革を磨きます。

 

磨く前、磨いた後の変化を並べてみました。

 

※右:磨き前 左:磨き後

こんな感じに変化します!

お財布やキーケース、ポシェットに!

磨いた後は、革の質感は硬くなります。

ですので、柔らかさが欲しいトートバッグなどには不向きです。。

ピシッとした張りのある製品に向きます。

男性用・女性用どちらのアイテムにもオススメデザインです。

フィレンツェで唯一のバッグ?!

当工房が1800年代初期~1900年代初期に作られた模様をつける道具(これまた当時の職人さんによるハンドメイド)を使用していることをご紹介しましたが、

本やアルバム、家具の他にバッグやお財布にもできたらと思い製作しました。

アルバムに装飾した投稿のように(→http://bruscoli.jp/blog/archives/289 参照)

1つずつ熱で模様を転写していきます。

連なった模様は300種類、スタンプは約1500種類ありますので組み合わせも考えるとデザインがとっても豊富です。

例えばこちらのミニバッグ、

アップで見ていただくと細めのチェーンのような模様があり、

小さいながらエレガントな雰囲気に。

太めのデザインを選ぶとゴールドの装飾ががはっきとデザインを目立たせます。

お財布にもつけてみました。

横からチラっと見えます。

工房まで来ていただけましたらご一緒に模様もお選びいただき、

オリジナルのバッグやお財布をご注文いただけます。

1つ1つハンドメイドで製作する工房も少なくなってきていますが、

模様を1つ1つダイレクトにアンティークのスタンプで仕上げるこのようなバッグは唯一だと言われています。

フィレンツェに来られた際はお気軽に見にいらしてください。

 

 

 

 

革を磨く

家具に革張りの装飾の注文が来た時の工程として、

装飾をするまでに“磨く”工程があります。

これは革の表面にツヤを出すためと、装飾で使う金が革にのりやすいように行います。

ロウを使って熱で磨きますが、温度が低いとツヤが出ず、高いと逆に革が焼けてしまいます。

ですので、温度を見極めることも必要です。

こちらが磨く前と磨いた後の画像です。

※左側:磨く前    右側:磨いた後

 

アンティーク家具の修復の場合は、月日を経たような風合いを出すために熱調節をしながら力の強弱に変化をつけます。

使用する革は植物タンニンを使用したベジタブルレザーですので、その都度革の調子が変わります。

その革に合わせて依頼者の方のお好みに近いように仕上げていきます。

※熱で磨いている様子

又、お好みによっては熱仕上げ+aで使用感を出した風合いにまで仕上げることもあります。

これらの工程は革の街フィレンツェと呼ばれる中でもこの一連の作業ができる工房はなかなかないそうです。

長く続けて来られた技術をつなげていきたいと思います。

 

バッグの値段の差って?

今日はよく聞かれる質問を書いてみます!

バッグの値段ってなんでこんなに違うんですか?

とよくよく聞かれます。

安いバッグは革の品質が悪いんですか?と。

特にフィレンツェは革の街なので街中に革製品があふれています。

安価なバッグは買わない方がいいですか?と。

先日フィレンツェのガイドさんにも“お客様から「安いバッグは革の品質が悪いんですか?」と聞かれた”のですが、実際のところどうなんでしょうか?と。

正直なところ、革の街とあって安価なバッグでも革の品質的には特別悪いとは思いません。

ではなんで安価なバッグがあるかですが、それは大量生産だとかいろいろの企業努力があると思うのですが、革自体には品質が劣っているわけではないので、

使い方によっては安価なバッグも良いと思うわけです。

例えば毎日いろんなバッグを持ちたくてバッグの種類がたくさん欲しいとか、

長期間にわたって同じバッグを持ちたくなくて1年で買い換えるとか1シーズンをめいいっぱい使うとか。

そういった短期的な使用であればとってもいいかもしれません。

ではそれとは逆に、当工房で作ってるバッグは高い!と言われることもあります。

もちろん中に入れる芯材まで気を配り、外観からは見えない部分に使う素材までも1流のものを揃えています。

それ以外にわたしたちが自信を持ってお話できるのは、

“ハンドメイドで1個ずつ作っているから”ということだけ思われがちですが、

それ以外には全行程を丁寧に仕上げているということにあります。

例えば、縫い目が通るすべての部分に縫う前に必ず補強用のテープを貼ること。

それぞれの部分にちょうどいい幅というのがあり、その幅に合わせてそれぞれカットしていく工程だけでも時間はかかります。

ちなみにこちらの画像は持ち手ですが黒い部分が補強テープです。

これは実際外からは見えないので、省くこともできるわけです。

でも省くと強度は下がりますし、バッグ本体の内側だと、使用する中で生地は破れやすいですし、その破れがそのバッグを使わなくなる原因にもなるのだと思います。

バッグの製作工程の中で省ける部分はたくさんあります。

芯材を使うとなると、それもまたその部分部分に適正な種類、形、厚さ薄さ、

皮革のように芯材も部分的にすいたりします。

ですので1つ1つの部分を丁寧に工程を重ねることで時間はかかりますが

丈夫で長期的に使っていただけるバッグとなるのです。

私たちも簡単なバッグを作ることはできますが長く使ってもらいたいので作りません。

安価ではありませんが一緒に人生を共にしてもらえるバッグを作っていきたいのです。

 

 

あとはご自身でやってもらえることもあります!

これもよく聞くのですが革バッグだから一生もの!

というのはまたわけが違います。

メンテナンスあっての革製品です。

例えば、湿気の多い場所に長期間置きっぱなしにせず、たまに陰干しして風を入れてもらえると良いです。

使い方メンテナンスの仕方でも寿命が延びも短くもなります。

 

大切で長く使いたいバッグ、大事にしまっておくだけでなくてたまに風を通してあげて呼吸させてあげてもらえたらバッグも喜ぶでしょうね^^

私たちは見えない部分こそ丁寧に仕上げます。

使用後の事も考えて。使っていただくと納得してもらえると信じて。

製作の部分は製作側がお知らせしていかないと見えない部分ですので、

心がけていることなど少しずつでもお話していきたいと思っています。

 

カバン工房事情

あけましておめでとうございます。

今年も引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。

 

気持ち新たに一歩一歩あゆんで参りたいと思っております。

 

今回は新年1発目ですので鞄工房事情の話をと思います。

当工房はフィレンツェ中央駅から近いですが、あまり人通りが多い場所ではありません。

店前のショーウィンドーを見られてお店だと思って入られた方々はたいてい驚かれます。

工房なんですか?

ここで作っているのですか?

という感じで。

フィレンツェは革の街とも言われますが、

旧市街に鞄工房自体はあまりありません。

それにも理由があって、鞄を作るには実は結構大きな機械が必要だったり、大きな音が出る作業があります。

そのため、鞄工房の上に住宅など他の建物があってはならないと決められています。

その為、上に横に連なる建物が並ぶ旧市街ではなかなか鞄工房として使用できる場所が少ないのです。

ハンドメイドで製作している小さな工房を見たいと、どこかで聞かれて来て頂いた方々も、鞄工房がなかなか見つからなくて大変だったと言われます。

 

そんなわけであまり人通りが多い道ではありませんが、なかなか珍しい旧市街でハンドメイドで作っています。

 

鞄を作る時に使う機械についてはまた改めてご紹介したいと思います。

 

2017年が学び多く、実りのある年になりますよう努力して参ります。

どうぞ宜しくお願いいたします。

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家具装飾に使う道具を使った柄のピアス編

家具、主にテーブルやデスク、タンスの台にレザーを貼り、

熱を当てて光沢を出した後に、金の装飾を施します。

その時に装飾するのに使う道具がルォータという道具です。

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転がしてデザインを革に写していきます。

金で装飾するのが一般的ですが、色を付けず焼印のみの場合もあります。

金装飾の場合はこんな感じです。

ruote1

この上の画像は4種類のルォータが使われ、

この場合5度の工程があります。

その時の物によって柄を組み合わせていきます。

 

今回、このルォータを使った柄のピアスを作ってみました。

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Fiori intoreciati(フィオーリ・イントレチャーティ)という柄で、

フィオーレ→花

イントレチャート→編み込み

“花の編み込み”柄です。

花の実やツル、葉が編まれたようにデザインされたものです。

こちらのルォータも1800後半~1900年代始めのものです。

 

柄の色は、純金・金色・銀色が可能です。

価格は純金もしくはそれ以外で異なります。

金色(純金ではない)・銀色 45ユーロ

純金22k刻印 65ユーロ

サイズ:円の直径18mm

アクセサリーの金具はメッキです。

その他の素材をご希望の方はご相談下さい◎

 

その他、同じ円の大きさでスタンプを使ったタイプも可能です。

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★星ピアス(純金22k刻印) 60ユーロ

★星リング(純金22k刻印) 45ユーロ

 

珍しいレザーでのピアスもご用意があります。

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こちらは’60ー80年代のヴィンテージレザーです。

今ではもう出せないであろうその当時の独特な染物のような色味です。

レザーには凹凸があり、個性的な風合いが楽しめます。

ヴィンテージレザーピアス 39ユーロ

 

※今回使用のピアス金具は、金具の先を下向きに入れるタイプです。

撮影上の理由(金具の付け根が立体のため円が後方に向いてしまう)で金具を上向きに撮影しております。

 

 

伝統工芸品~レザーの箱編~

ベジタブルレザー・・・植物タンニンなめし加工を施してできあがってきたレザーで、

化学染料を使用せずなめしたものです。

化学染料を使うと色が鮮やかで色持ちします。

ベジタブルレザーの特徴としては、

色は鮮やかではありませんが、使う過程で色が変化し、味わい深い色となります。

そのほか、熱で磨きをかけることによって光沢が出ます。

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また熱で磨くことによって金がのりやすく剥がれにくくなります。

本の装丁や写真用アルバムに純金装飾する技法が伝統工芸として挙げられます。

 

その技法を使って箱の製作も行っています。

ジュエリーボックスにしてもよし、化粧品を入れてもよし、何か大事な小物を入れたりサイズによっていろんな用途が楽しめます。

製作中・・↓

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1個からのオーダーが可能なので、

名前を刻印してギフトにもオススメです。

ゴールド装飾無しも可です◎

 

別途真鍮製のスタンプ料金が発生しますが、

絵やデザイン画があればその絵をレザーにスタンプした製品も作れますよ◎

例えば・・・

*メッセージを手書きで書いたものをスタンプしてパートナーのギフトやプロポーズに!

*子供さんの絵をスタンプして記念に!

*ロゴをスタンプしてお店の記念品に!

 

お見積もりはお問い合わせくださいませ

参考価格【箱】

店頭品

●7.5cm×7.5cm×6cm €69,00

dscf9820

●11cm×16cm× €120,00

scatram

 

 

 

 

ブルスコリ工房の内部を公開

イタリア・フィレンツェ中央駅付近にあります。

内部は、なかなかの年月を感じられる機械に囲まれた博物館のようにも思える工房です。

文章ではなかなかお伝えすることが難しいのですが、

レザーの厚さを削る機械

レザーの端を薄くする機械

レザーにスタンプする機械

直角の角を切り取る機械

など機械の他、

本の手縫いするための道具

レザーを熱で磨くための道具

イニシャルを押すための道具

デコレーションを作るためのスタンプ

などなど今ではあまり見れないような道具も数多くあります。

現に私も今まで見たこともないたくさんの道具にこの工房で出会いました。

こちらも追々ゆっくりと載せていきたいと思います。