バッグの値段の差って?

今日はよく聞かれる質問を書いてみます!

バッグの値段ってなんでこんなに違うんですか?

とよくよく聞かれます。

安いバッグは革の品質が悪いんですか?と。

特にフィレンツェは革の街なので街中に革製品があふれています。

安価なバッグは買わない方がいいですか?と。

先日フィレンツェのガイドさんにも“お客様から「安いバッグは革の品質が悪いんですか?」と聞かれた”のですが、実際のところどうなんでしょうか?と。

正直なところ、革の街とあって安価なバッグでも革の品質的には特別悪いとは思いません。

ではなんで安価なバッグがあるかですが、それは大量生産だとかいろいろの企業努力があると思うのですが、革自体には品質が劣っているわけではないので、

使い方によっては安価なバッグも良いと思うわけです。

例えば毎日いろんなバッグを持ちたくてバッグの種類がたくさん欲しいとか、

長期間にわたって同じバッグを持ちたくなくて1年で買い換えるとか1シーズンをめいいっぱい使うとか。

そういった短期的な使用であればとってもいいかもしれません。

ではそれとは逆に、当工房で作ってるバッグは高い!と言われることもあります。

もちろん中に入れる芯材まで気を配り、外観からは見えない部分に使う素材までも1流のものを揃えています。

それ以外にわたしたちが自信を持ってお話できるのは、

“ハンドメイドで1個ずつ作っているから”ということだけ思われがちですが、

それ以外には全行程を丁寧に仕上げているということにあります。

例えば、縫い目が通るすべての部分に縫う前に必ず補強用のテープを貼ること。

それぞれの部分にちょうどいい幅というのがあり、その幅に合わせてそれぞれカットしていく工程だけでも時間はかかります。

ちなみにこちらの画像は持ち手ですが黒い部分が補強テープです。

これは実際外からは見えないので、省くこともできるわけです。

でも省くと強度は下がりますし、バッグ本体の内側だと、使用する中で生地は破れやすいですし、その破れがそのバッグを使わなくなる原因にもなるのだと思います。

バッグの製作工程の中で省ける部分はたくさんあります。

芯材を使うとなると、それもまたその部分部分に適正な種類、形、厚さ薄さ、

皮革のように芯材も部分的にすいたりします。

ですので1つ1つの部分を丁寧に工程を重ねることで時間はかかりますが

丈夫で長期的に使っていただけるバッグとなるのです。

私たちも簡単なバッグを作ることはできますが長く使ってもらいたいので作りません。

安価ではありませんが一緒に人生を共にしてもらえるバッグを作っていきたいのです。

 

 

あとはご自身でやってもらえることもあります!

これもよく聞くのですが革バッグだから一生もの!

というのはまたわけが違います。

メンテナンスあっての革製品です。

例えば、湿気の多い場所に長期間置きっぱなしにせず、たまに陰干しして風を入れてもらえると良いです。

使い方メンテナンスの仕方でも寿命が延びも短くもなります。

 

大切で長く使いたいバッグ、大事にしまっておくだけでなくてたまに風を通してあげて呼吸させてあげてもらえたらバッグも喜ぶでしょうね^^

私たちは見えない部分こそ丁寧に仕上げます。

使用後の事も考えて。使っていただくと納得してもらえると信じて。

製作の部分は製作側がお知らせしていかないと見えない部分ですので、

心がけていることなど少しずつでもお話していきたいと思っています。

 

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サイトウミナコ
京都市出身。 大学卒業後、アパレル企業に入りファッションアドバイザーを勤める。 2011年 レザー製のハンドバッグ製作に憧れ単身フィレンツェに渡る。 バッグ職人訓練校scuola del cuoioでの技術習得後、バッグメーカーの見習いに入る。 2014年 創業1881年の革工房Bruscoli(ブルスコリ)の4代目パオロ氏と出会い技術を習い仕事を共にする。 2016年1月Bruscoliを引き継ぐ。 Bruscoli工房は“予約制”です